インビザラインの問題点
2021年12月24日
インビザラインによる矯正治療は旧来の矯正器具による治療に比べて、自由度が高く、見た目のいいという点で非常にメリットも多い治療法ではありますが、当然、インビザライン治療が100%うまくいっているかと言われると、そうでないケースも稀にあります。
インビザラインはメリットも多い一方で、高額な費用がかかるのもまた事実です。
そうであるならば、失敗のない矯正治療にしていくために、どんなことが必要なのかを理解して、実践していくことが必要です。
今日はインビザライン治療を行ってうまくいかなかったケースとその理由について、お話させていただければと思います。
■さまざまなケース
○歯茎が下がってしまう
歯茎が下がると、歯根が露出した状態となり、見た目の印象も老けて見えます。
これはインビザラインによる歯科矯正治療がマウスピースを通じて、歯に負荷をかけることによって、歯槽骨がその力を吸収して、歯が移動するスペースを作るという仕組みで矯正していくのですが、過度な力がかかってしまったり、歯周病でそもそも歯槽骨の量が不足していると、こうした現象が起きてしまいます。
○出っ歯になってしまった!
一例としては患者様の前歯がもともとガタガタな歯並びだと、十分な治療計画を立てないと、出っ歯になってしまうという事例も発生します。
基本的には抜歯や歯を削るということは少ないに越したことはないのですが、例えば顎の大きさに対して、歯の密着度が高い患者様の場合などは、きちんとした歯並びにするためには歯を抜く必要があるにもかかわらず、抜歯を実施しないと、出っ歯になってしまうということは起こり得ます。
医師の適切な判断と十分な治療計画を立てるということが大事です。
○咬み合わせが悪くなってしまう
治療計画のシミュレーションに反して、咬み合わせが悪くなってしまうケースもあります。
マウスピースで奥歯に過度に力がかかって、奥歯が沈み込んでしまったり、マウスピースのはめ方が悪くて、特定の歯ばかりに力がかかってしまう状態になると、咬み合わせが悪くなる可能性が高まります。
○その他
他にもさまざまな症例がありますが、上記のような事例はインビザライン矯正を通じて、発生する可能性があるものです。
■問題点
○お口の状態が悪いこと
インビザライン矯正がうまくいかない原因の一つにお口の中の状態が悪いことが挙げられます。
例えば、矯正治療中に、むし歯や歯周病になると歯型が変化してしまうため、マウスピースが合わなくなってしまいます。そうすると矯正の効果を発揮することができなくなります。
従い、矯正治療中もしっかりと歯磨きを行うことが重要です。
丁寧に歯磨きを行うことで、矯正も良い結果になります。
また特に冬場やマスク着用が当たり前になってきた昨今では、お口の乾燥も気になるところです。マウスピースをしていると余計に唾液が口内に行き渡らなくなるので、細菌が繁殖しやすくなり、むし歯や歯周病を招きます。
しっかりとした口腔ケアを行うこともインビザライン矯正を望んだ結果にするためには必要なのです。
○装着時間不足
そもそも装着時間が短いと、矯正治療はうまくいかなったり、予定期間よりも時間がかってしまったりします。インビザライン治療ではマウスの装着時間が20時間は必須です。
基本的に食事と歯磨き以外の時間は全てマウスピースをつけるくらいの意識で臨まなければ、理想の結果になることは難しいと思います。
つけ忘れなどの自己管理が甘いと、治療に時間がかかってしまいます。
○マウスピースの交換の時期を守らない
インビザライン矯正では、治療計画に乗っ取って、マウスピースも交換していく必要があります。なぜ交換するかというと、マウスピースでの矯正によって、歯が移動するので、古いマウスピースでは、歯が移動したあとのお口の状態に合わなくなっているからです。
医師からの指示通りにきちんとマウスピース交換を実施していく必要があります。
■解決策について
○お口の中を綺麗に保つこと
矯正治療において、最大の問題はお口の状態が悪いことです。
むし歯や歯周病があると先述した通り、歯型が変わってしまうので、せっかくのマウスピースも合わない場合があります。
長時間マウスピースをつけることによって、口の中が乾燥したり、マウスピース自体を不衛生な状態にしてしまったり、歯磨きが甘くなったりしていると、むし歯や歯周病が発生してしまいます。むし歯や歯周病の治療を矯正よりも優先することになってしまうため、インビザライン矯正の期間が当初よりも伸びてしまいます。
まずはお口の状態を徹底して綺麗に保つことをおすすめします。
○医師の指示に従うこと
インビザラインは事前に専門の歯科医師によって、しっかりと綿密な計画が練られています。
その上で、マウスピースも作っているため、適切なタイミングで、マウスピースも交換する必要があります。面倒だから、とか、交換しても意味がないだろうと勝手にしてしまうと、矯正治療が進まなくなってしまう可能性があります。
歯科医師のきちんとした判断に合わせて、治療を実施していくことが大事です。
○信頼のおける医師の診断を受ける
まずインビザライン矯正のあとに起きている問題の一つに咬み合わせが悪くなったと言うものがありますが、不正咬合を正しくして審美性を高めていくことを目的としているので、そもそもきちんと計画を立て、治療をしていけば、咬み合わせが悪くなることは基本的にありません。しかし、診断をした医師の治療計画に問題があったり、マウスピースに異常があると、発生しうる事象ではあります。
インビザライン矯正は多額の費用のかかる治療方法です。
それほどの多額のお金を投じていくのであれば、安心して任せられる実績のある歯科医師の治療を受けるのがもっとも良いかと思います。
治療前のカウンセリングの際から患者様ご自身でしっかり納得のいくまで説明を聞き続けることが大事です。その段階であまり良い回答を得られない場合、経験値が低かったり、専門的ではない場合もあるので、別の歯科医師を検討するのも選択肢かと思います。
また大事なこととして、矯正中に違和感を感じた際には歯科医師にすぐご相談いただけたらということです。なんとなくの違和感が矯正の結果に悪影響を及ぼしてしまうこともあるので、少しでも変だなと感じたら、歯科医師にご相談ください。
■まとめ
当院は豊富な治療実績があり、患者様の治療を最大限サポートできる体制を整えております。インビザライン矯正を実施していく上で知りたい点や不明点があればお気軽にご連絡いただければと思います。
またもし万が一、過去にインビザライン矯正を行ったけれども、うまくいかなかったなどあれば、当院でお役に立てるかもしれませんので、お気軽にご相談ください。
ただし、インビザライン矯正をうまくいく結果にしていくことで大事なことは、事前のしっかりとした治療計画と患者様ご自身の自己管理ですので、しっかりと医師に相談しつつ、患者様ご自身でのケアも行っていただければと思います。