インビザライン®️矯正中によくあるトラブルを知って備えよう
2022年3月18日
当院でお勧めしているインビザライン®️をはじめとするマウスピース矯正にチャレンジしようとする方が増えています。今日は、マウスピース矯正中に見られるトラブルをお知らせします。どのような場合でも、基本的には主治医にご相談のうえ対策を仰いでいただきたいのですが、よくあるトラブルをあらかじめ知っておくことで心の準備ができ、休診時などもしもの時にもスムーズに対処できることと思います。
■アライナーを紛失した
矯正には、マウスピース矯正のほか、ワイヤー矯正、裏側矯正などさまざまな種類があります。固定式の装置であれば歯科医師がチェック後ワイヤー交換を行いますし、ブラケットもついていて自分では外せないため、矯正装置を紛失するということは起こりにくいでしょう。しかし、インビザライン®️などのマウスピース型矯正装置(アライナー)は、自分で外すことができます。出張などの外出先で、お食事の時、洗浄の時、おうちの中など、ちょっと外した時に紛れてしまうことが意外と少なくありません。透明であることも探しにくくなる原因のひとつかもしれません。
インビザラインでは、歯を移動させる量を計画的に細かく調整するため、治療開始前にシミュレーションを行い、多数のアライナーを作ります。
また、マウスピース型矯正装置は外すことができるとはいっても、基本的にはつけっぱなしにすることによって効果を発揮します。インビザラインの場合ですと1日20〜22時間というのが一般的、具体的には歯磨きと食事の瞬間以外はほぼ装着しているという計算になります。
ですので、マウスピース矯正の場合では「外す時間は食事時間と歯磨きの時ぐらいで、基本的にはずっと装着する」という認識で矯正治療にあたっていただくのがいちばん大切になります。外したらつける、という行動様式を身につけることで、アライナーがいつもあるべきお口の中にあるようになります。
マウスピースを外して保管する際は、専用のケースに入れて、決まった場所に保管する習慣をつけることもおすすめです。たとえばインビザライン®️には専用ケースが用意されています。ケースに入れずに置いておくと、ほこりを被って不衛生になるだけでなく誤って破損するおそれもありますので気をつけてください。
インビザライン®️のケースはインビザラインホームページでも紹介しています。
https://www.invisalignjapan.co.jp/consumer/mouthpiece/cleaning
万が一紛失してしまった場合には、次の診察日まで待たずに速やかに矯正を担当する歯科医院にご連絡いただき、指示を仰いでください。何もはめずにいると矯正している途中の歯並びが元に戻ってしまう恐れがあります。複数のアライナーをあらかじめ渡されている時は、1つ前のマウスピースを期間が終わってもしばらく取っておくともしもの時に安心できるかもしれません。
■アライナーが割れた
装置の付け外しの際に、アライナーが割れてしまうこともあります。とくに、歯並びのでこぼこの状態が大きい場合は付け外しが難しく、割れやすいといわれます。インビザラインのアライナーはポリウレタン製で非常に壊れにくい材質ではありますが、無理な力でアライナーの取り外しを繰り返したり、ケースに入れずに置いてしまい、重たいものの下敷きになったりしたら絶対に壊れないとは言い切れません。
アライナーが割れたといっても、多少のひび割れでアライナーの力がじゅうぶん歯に加わっていると歯科医師が判断した場合は、交換予定日まで使用する指示が出ることもあります。ここでも自己判断は避けて、歯科医院へご連絡をお願いいたします。
■アタッチメントが取れた
インビザライン®️のアタッチメントは、アライナーの力をうまく歯根まで伝わらせる作用があります。歯の表面はつるつるでアライナーも滑りやすいため、アタッチメントを使うことでしっかり歯と密着させることができます。
アタッチメントが取れても患者さまが痛みを感じることはほとんどありませんし、脱離したり一部が欠けたりしても、そのことは気づけないことさえあります。ですが、アタッチメントが取れてしまったことでアライナーが浮いてしまうことがあります。アライナーが浮いてしまうと矯正の効果が正しく得られない恐れがありますので、診察予定を早めていただく必要が出てくる恐れが高いです。
アタッチメントは、食事のときや、マウスピースの脱着のときの摩擦や衝撃で取れてしまうことが多く見られるほか、おせんべいのような歯に力が必要となる固いものを勢いよく食べると外れてしまうことがあるようです。
アタッチメントが取れないようにするには、マウスピースを着脱するときは左右に均等に力がかかるようにすることがポイントです。
片側にのみ力がかかる形で着脱をしようとするとアタッチメントが取れてしまうことがあります。無理矢理片側に力を寄せようとするのはマウスピースの破損にもつながるため注意が必要です。
アタッチメントが取れてしまった場合の対処は、アタッチメントが役割を果たすステージによって対応が変わってきます。アタッチメントがないばかりにアライナーの力が上手くかからない段階であれば定期の診察予定を繰り上げて来院いただく必要があるかもしれません。いっぽう、歯の移動が終わっている場合であれば、アタッチメントが外れても再装着しなくてよいという判断ができることもあります。いずれにせよ、主治医の判断のもと症例に応じた対処を行うことになりますので、違和感を感じた時にはためらわずに歯科医院へご連絡ください。 その際には、インビザラインの何番目のアライナーを使っているか、どこの歯のアタッチメントが取れたかわかるようにしていただけると私たち歯科医院の判断も早くでき助かります。現時点でどの歯を動かしているのかを歯科医が判断するために必要な情報となります。
■歯科医院はあなたの矯正治療の伴走者です
患者さまができるだけトラブルに見舞われることのないよう歯科医院ではさまざまなケースを想定し治療計画を立てておりますが、長い矯正期間ですので何かしらのことが起こっても不思議ではありません。診察予約を取り直すのが大変だから、電話する時間がないからといったお話から、歯医者さんに叱られるのではないかといった恐れから連絡したくなくなってしまう気持ちがあるかもしれませんが、私たち歯科医院は、患者さまのよりよい歯並びを実現するための応援団です。困ったことがあったら遠慮なくご連絡をください。あらかじめ多段階のアライナーを用意するインビザライン®️なら診察日を早めなくてもできることがあるかもしれません。
マウスピース矯正を専門とする当院では、矯正治療に関しての知識や経験が豊富な当院ドクターが、インビザラインをはじめとしたさまざまな治療法で、患者さまの歯並びのお悩みを解決します。
歯並びや咬み合わせにお悩みのかたは、ぜひいちど当院の無料個別相談へお申し込みください。
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