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インビザラインでなぜ歯は動くのか?

2022年1月7日

歯列不正を治療する方法に、矯正歯科治療があります。矯正歯科治療とは、さまざまな装置を使って不正に並んだ歯を機能的な位置に再配列したり、顎の成長を人為的にバランスの取れた位置に誘導したりする治療方法です。したがって、矯正歯科治療のためには歯を動かしたり、成長を誘導するための装置が生み出す力が必要になります。これを「矯正力」と呼んでいます。
矯正力を得るために、矯正歯科治療では多くのアイテムを使っています。インビザラインを含むマウスピース型矯正装置もそのひとつです。今回は、インビザラインにおける矯正力の仕組みについて解説します。

目次

■なぜ歯は動くのか
■矯正歯科治療における歯の移動
■アタッチメントとは
■アタッチメントの役割
■まとめ

■なぜ歯は動くのか


固定式の矯正装置、あるいはインビザラインのような可撤式の矯正装置によって歯に矯正力がかかりますと、歯はどういった動きをするのでしょうか?本来は非常に難しい話ですが、ここでは大まかに説明したいと思います。
ある方向から力がかかると、歯根膜が圧迫されます。押し付けられた歯根膜には、変化、具体的には破骨細胞(骨を溶かす細胞)やマクロファージなどの細胞が出てきます。一方、反対側の牽引側には、血管の新生、線維芽細胞(骨をつくる細胞)の増殖、基質形成が起きます。こうした変化に伴い、矯正力のかかった方向からかけられた方向にちょっとずつ骨を改造しながら、歯が動いていきます。これが、基本的な歯の動きです。
この歯の動くメカニズムは、ワイヤー矯正のような固定式矯正装置もインビザラインも基本的に同じです。インビザラインは、3D口腔内スキャナーで歯牙の内部構造をスキャンしてデータ化します。そのデータをもとに患者さん専用にカスタマイズしたマウスピース型の矯正装置(アライナー)を作製します。作製したアライナーと元々の歯列には少しズレができるように設計されていて、インビザラインではアライナーを装着することで、このズレの方向に矯正力がかかり、歯が移動します。

 

■矯正歯科治療における歯の移動


矯正歯科治療で歯を移動させるには、多くの方法があります。ここでは具体的に、傾斜移動・歯体移動・挺出・圧下・回転による移動の5つに大別して説明します。

○傾斜移動

歯冠の近遠心方向、あるいは頬舌方向に力を加えると、歯根の根尖測1/3付近の中心点を支点として歯は傾くように動いていきます。これが傾斜移動です。矯正力が作用した圧迫側の歯根膜では骨の吸収が起き、逆に広がった牽引側では線維芽細胞が出現して骨の再生が起きます。
傾斜移動は、歯根の部分はあまり動かさないので、移動のスピードも非常に速く、周囲の骨が安定するまで維持しておけば治療は完了です。

 

○歯体移動

歯体移動は、歯を平行に動かす方法です。歯を傾斜することなく、歯軸が平行になるように移動させることを、歯体移動といいます。歯根の移動側全体に圧迫側が生じ、その反対側に牽引側ができてくるという状態で、歯軸が傾斜することなく直立のまま移動するイメージです。
例えば抜歯などを行い、歯を移動させるスペースが大きい場合には、歯体移動を行います。歯体移動を行うと、どうしても治療期間が長くなってしまいます。

 

○挺出

歯軸に沿うような感じで骨から歯を出すような動きのこと。つまり、歯冠方向に矯正力を加えることで、根尖部に牽引側が生じ、そこに骨が再形成して歯槽骨から抜け出る方向にスムーズに動くのです。

 

○圧下

挺出と反対に、歯を歯槽骨内に押し込むような動きです。歯軸に沿って矯正力を加えると、根尖部に圧迫側が生じます。そうすると、骨が吸収し、歯は押し込まれるように動きます。歯の移動の中でも、最も起こりにくい移動です。

 

○回転

回転とは、文字通り歯の長軸を中心にコマのように、ねじるような動きをさせること。歯の長軸を中心として、捻転している状態を改善します。歯の幅や歯間によっては、十分にスペースを作ってから行う必要があります。

 

歯の移動は傾斜移動・歯体移動・挺出・圧下・回転

歯の移動は傾斜移動・歯体移動・挺出・圧下・回転

 

■アタッチメントとは


従来のマウスピース型矯正装置は、先ほど述べた歯の移動の中でも、傾斜移動になることが多い装置でした。そのため、マウスピース型矯正装置は、軽度の叢生や歯冠空隙など、非抜歯で治療可能な比較的難度の低いケースだけに使用してきました。しかし、インビザラインはアタッチメントの併用などによって、多様な歯の移動ができるようになりました。このことで、歯を抜かないで行う部分矯正だけでなく、歯を抜いて全体矯正を行う場合にも適応範囲は広がっています。
アタッチメントは、歯の表面につける突起物。アタッチメントは歯科用のプラスチック樹脂によってできています。これは虫歯治療の時にも使用している材料で、歯とほぼ同色です。インビザライン治療では、アライナーのみで歯を目的の場所へ移動させることが難しい場合に、補助的に使うこともあります。

 

■アタッチメントの役割


アライナーは、固定式の矯正装置と違って取り外しができる反面、矯正力が加わりにくいことがデメリットでした。適切に矯正力が加わらないと、計画通りに歯が動かないということが起きてしまいます。アライナーにも保持力はありますが、アタッチメントがあれば着脱の際にアライナーのくぼみにアタッチメントがはまり込んで、保持力が高まります。
また、アライナーは1つ1つの歯に力を加えることが難しい矯正装置です。アタッチメントを付けることで、個別の歯に矯正力を作用させることができます。アタッチメントは、歯体移動や挺出、回転などといった歯の移動のために重要な役割を果たします。使用するアタッチメントの形状や数、設置場所は、歯をどのように動かしていくかによって変わってくるため、患者さんごとに違います。また、アタッチメントで移動させることができる距離には限界があります。移動スペースが大きい場合には、マルチブラケット装置(ワイヤー矯正)でないとできない症例もあります。インビザラインによる治療が可能かどうかについては、歯科医院にご相談ください。

 

■まとめ


矯正歯科治療では、さまざまな装置を用いて外的な力(矯正力)を発生させ、歯を動かしていきます。適切な矯正力が加わると、圧迫された歯根膜には破骨細胞が出現し、骨吸収が起こります。反対の牽引側では、線維芽細胞による骨造成が起こります。このようなメカニズムで、歯は移動します。
歯の移動様式にはいくつかあり、具体的には「傾斜移動」「歯体移動」「挺出」「圧下」「回転」といった様式があります。従来のマウスピース型の矯正装置では、このような多様な歯の移動様式を実現することが難しく、傾斜移動が主体となっていました。そのため、歯を抜かない部分矯正といった症例にしか適応でありませんでした。
しかし、インビザラインではアタッチメントという補助的なパーツを用いることによって、従来のマウスピース矯正では難しかった歯の移動を行うことができるようになり、マウスピース型矯正装置の適応範囲は広がっています。アタッチメントはいろんな形や大きさがあり、その形状によって作用する力は異なります。アタッチメントの使用の有無や使用するアタッチメントの種類などは、症例によって異なってきます。
インビザライン治療について興味のあるという方は、ぜひ一度歯科医院でご相談ください。

歯列矯正治療のイメージ

2021年11月22日

皆さんは「歯科矯正」にどんなイメージをお持ちでしょうか。
痛い?
見た目が気になる?
食事制限があるのかな?などなど、、、
おそらく想像するのは歯に金具を装着している姿という方が多いのではないでしょうか。
しかもどちらかというと「見た目があまりよくない」とか「痛そう」というネガティブな印象が日本人の場合は多いのではないかと思います。
でも逆に欧米人は日本人とは矯正に対する捉え方が違っているのはご存知でしょうか。
今日は、欧米と日本の矯正に対する意識の違いから、歯科矯正について、改めてお話していきたいと思います。

目次

■矯正治療の目的
■日本人の持つ矯正へのネガティブイメージ
■欧米では歯並びで社会的評価が変わる
■見た目も自然なインビザラインのご提案
■まとめ

■矯正治療の目的


そもそもデンタルケアに対しての意識が日本と欧米では違います。
日本の場合、歯科医院は歯が痛くなったらいくところ、何か問題が起きたら行こうという意識が強いのに対し、アメリカやヨーロッパの人々は虫歯などのトラブルがなかったとしても口の中の健康を保つために定期的に歯科医院へ行こうという意識が高いです。
アメリカでは定期的に歯科医院に通って、デンタルケアを行っている人が7割以上いるのに対し、日本では3割程度しかいません。
矯正治療を行うというところでみると、アメリカでは5割、日本では2割程度です。
歯並びが悪いことを気にしたり、矯正を考えたりすることは日本でもアメリカやヨーロッパでも同じように考えます。ただ、実際に矯正治療まで行うかを見てみるとそれだけの差が生まれるのです。
では日本人が欧米で矯正を行う人の割合に差が出てくるのはなぜなのでしょうか。

 

■日本人の持つ矯正へのネガティブイメージ


理由の一つには、冒頭にも挙げた矯正器具の見た目のイメージや不自由そうというネガティブな印象が大きいと思います。
矯正治療をすることに対する捉え方が日本と欧米では異なるようです。
例えばアメリカの場合、7割以上の人が矯正をすることに対して「歯並びがよくなって嬉しい」というポジティブな印象を持つそうです。
一方で、日本の場合、6割以上の人が「矯正装置によって不自由になる」という印象を持つそうです。
実施する治療自体は多少の違いはあるかもしれませんが、基本的には同じはずです。しかし、捉え方がこんなに違うのはもしかすると歯並びに対する環境の違いが大きいのではないかと思います。

 

■欧米では歯並びで社会的評価が変わる


欧米では歯並びが綺麗なことは「教養がある」「仕事で評価される人の象徴」というイメージが根付いています。いい仕事につけるかつけないかが歯並びに影響されてしまうのです。
欧米では肥満や喫煙と並んで、歯並びが悪いことは「自己管理できていない」ということの象徴だと捉えられます。自己管理ができない、自分に甘い人という評価がビジネスにおいてはマイナスです。
実際、欧米人が日本人の歯並びをみて歯並びが悪いと感じる人は7割以上に上るそうです。
日本人は健康意識が高いのに、歯並びが悪いということに驚く人が多いようです。
それくらい意識が違います。
欧米では歯並びはビジネスにおいて、自分の評価を高めるための大切な要素の一つだと言えます。
日本のビジネスシーンではそんなことは関係ないのではないか・・・と思う方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。
ここは欧米ではなく、日本なのだから、それほどまでに気にしなくてもいいのではないかと。
確かに、欧米ほどビジネスの場面で歯並びに対して注視されないと思います。
しかし、想像してみていただきたいのは、例えば商談をする時に、歯が白くて歯並びが綺麗な営業マンと歯が汚れていて、歯並びもあまりいいとは言い難い営業マンが来た時に、心理的にどちらと商談をしたいと感じるか、ということです。
メラビアンの法則というのがあります。
人の印象は55%の視覚情報と38%の聴覚情報、そして7%の言語情報で決まる、というものです。ここで注目すべきは視覚情報が5割以上を占めるということです。
もちろん商談やプレゼンの内容も大事なのは間違いないのですが、そもそも内容を聞く前段階で印象というのは決まってしまうのです。
ビジネスパーソンは見た目も気にかけた方が、より仕事でも結果を作ることができるのです。

 

歯並びも気にかけた方が仕事でもより結果を出せる

歯並びも気にかけた方が仕事でもより結果を出せる

 

■見た目も自然なインビザラインのご提案


歯並びが大事なのは噛み合わせにも関係し、治療が必要だと理解しているが、それでも矯正治療には抵抗があるという方も当然いらっしゃると思います。
そこで近年、日本でも広く普及している「インビザライン」がおすすめです。
インビザラインとは、簡単にいうと、マウスピース型の矯正装置です。
ワイヤーなどを使わずに透明なマウスピースで治療をするので、見た目では目立たない矯正装置です。
インビザラインは1999年にアメリカのアライン・テクノロジー社が提供を開始し、日本では2006年から導入されています。
目立ちにくいので芸能人にも人気の治療法で、特に矯正治療に対してポジティブな印象を持っている海外ではインビザライン治療を行っていることを公にしているセレブや有名人も多数います。
一人一人のオーダーメイドで装置を作成し、目立たず、取り外しをすることもできます。
また、インビザラインを始める際に3D画像でどのように矯正治療をしていくかのシミュレーションもインビザラインでは可能であるために、矯正治療を行う前に、自分の歯がどう変わっていくかをしっかり理解した上で治療を始めることができることも大きなメリットの一つと言えるでしょう。
何より、従来のワイヤーによる矯正治療に比べて、痛みを軽減することもできます。
ワイヤー矯正では、歯科医師の手で装置の調整を行うために技術に依存する部分が大きいので、調整できる範囲にも限界がありましたが、インビザラインは新しいマウスピースに交換することによって、調整を実施します。このマウスピースの調整は人の手では調整困難なレベル(およそ0.25mm以内程度)で実施するので、歯が動く時の痛みが少ないです。
今までのワイヤーによる歯科矯正とはそのイメージが大きく変わると思います。
上記の通り、見た目だけでなく、痛みという意味でも患者様への負荷を軽減していくことが可能です。
一方で当然デメリットもあります。
それは取り外しが可能であるが故に、治療の成果が患者様の自己管理に左右されるということです。しっかり矯正装置を日常的につけていれば問題はないのですが、取り外せてしまうと装着するのを忘れてしまい、治療時間が短くなってしまいます。そうすると、矯正治療の期間が延びてしまいます。

 

■まとめ


それでもこのインビザラインを使用した歯科矯正は、従来の歯科矯正のイメージを大きく変えたと思います。見た目も目立たず、歯を矯正できることによって、プライベートでもビジネスでも見た目への心配を少なくすることができ、気軽に矯正治療を受けやすくなったのではないかなと思います。
当院は女性ドクターが在籍し、難症例、すべての歯並びに対応可能です。
マウスピースメーカーによっては部分的な歯並び改善しか対応できないメーカーもあります。
メーカー選びと歯科医院選びは慎重に行ってください。
決して短くない時間を使い、安くはない費用を支払ったのに歯がほとんど動かない、イメージ通りにならないと困りますよね。
ぜひ矯正治療はしたいけど、ちょっと悩んでいるなという方もお気軽にご相談いただければ幸いです。

新世代の矯正治療法マウスピース矯正の特徴

2021年11月1日

矯正歯科医院である当院で、特に人気のインビザラインは、マウスピース矯正という新世代の矯正治療法です。
マウスピースは以前から歯科医療の現場でよく使われてきたものなので、ご存知の方も多いと思います。
ですが、実はマウスピース矯正のマウスピースと今まで歯科医療の現場で使われてきたマウスピースは全く異なるものです。
今回は、マウスピース矯正でのマウスピースの特徴から、ワイヤー矯正との歯の移動の仕方の違いまでご紹介します。

目次

■しっかりしたマウスピースが原動力
■マウスピースで歯が動く仕組み
■マウスピース矯正の特徴
■マウスピース矯正での歯の動き方

■しっかりしたマウスピースが原動力


マウスピース矯正が登場するまで、矯正治療の方法は、歯の表面にブラケットという金具をつけて、全ての歯にワイヤーを掛け、そのワイヤーの弾力性を利用して歯を動かしていくワイヤー矯正だけでした。
ワイヤー矯正では、ワイヤーが元の形に戻ろうとする働きを利用して、歯を少しずつ動かしていきます。
ワイヤーを実際に触ってみるとよくわかるのですが、細くて頼りなさそうに見えながらも、意外と弾力性があり、少しぐらい曲げても、すぐに元の形に戻ろうとします。
多少曲げたくらいでは、変形しません。
ですから、ワイヤー矯正で歯が移動していくのはなんとなくでも理解しやすいのではないでしょうか。
ところが、今回ご紹介するマウスピース矯正で用いられるのは、補助的にアタッチメントなどを使うことはありますが、基本的にマウスピースだけです。

○インビザラインのマウスピースはかなりしっかりしている

マウスピースというと、顎関節症の治療に使うものや、睡眠時無呼吸症候群用のマウスピースをイメージされるのではないでしょうか。
顎関節症の治療用のマウスピースの多くはとても軟らかく作られています。
睡眠時無呼吸症候群で使うマウスピースは硬いですが、インビザラインのような薄さや透明度、そして歯への密着感は備わっていません。
スポーツ用のマウスピースもありますが、こちらも軟らかい上、厚みもかなりあります。
ところが、インビザラインのマウスピース、触ってみていただくとわかりますが、かなりしっかりとした作りになっています。
厚みもかなり薄く作られています。
透明度もかなり高いですし、歯にしっかりとフィットします。
ですから、一般的なマウスピースから想像されるものと、インビザラインのマウスピースは似ていません。
インビザラインのマウスピースがどれほどしっかりしているかというと、少々力を加えてみても、ワイヤー矯正のワイヤーのように容易にしなることが、ほとんどないくらいです。
誤解のないようにして欲しいのですが、全くしならないわけではありません。
そんなにしっかりとした作りになっているのに、どうしてマウスピース矯正では歯が動くのでしょうか。
不思議に思いませんか?
その理由こそが、まさにそのしっかりした作り、歯への密着性なのです。
言い方を変えると、よく知られている顎関節治療やスポーツ用に用いられるマウスピースでは軟らかすぎるため、歯は移動しません。

 

■マウスピースで歯が動く仕組み


インビザラインで用いられるマウスピースが、かなりしっかりした作りになっていることは先にご説明しました。
では、マウスピースはどうやって歯を移動させていくのでしょうか。
実は、マウスピース矯正で使うマウスピースは、厳密な意味で治療前の歯並びに完全にフィットしているわけではありません。
歯にどのような力が、どのような向きで、どれくらいの強さでかかるのかを厳密に計算した上で、歯に適切な負荷がかかるようにデザインされています。
そのため、しっかりとした作りと相まって、歯にピッタリとフィットするように作られている上に軟らかい顎関節症の治療用マウスピースやスポーツ用マウスピースと比べると、マウスピース矯正用のマウスピースは、装着すると窮屈な感じがします。
この窮屈感に慣れてきた頃は、マウスピースの交換時期でもあるわけですが、窮屈感に慣れてきた理由は、そのときにはマウスピースの働きで歯が移動し、歯に加わる負荷が軽くなっているためです。

 

■マウスピース矯正の特徴


では、歯を動かすという点で、マウスピース矯正とワイヤー矯正にはどのような差があるのでしょうか。
それは、固定源への影響です。
ワイヤー矯正では、歯を動かすための支えとなる歯が必要となります。
その歯を私たち歯科医師は固定源とよんでいます。
ワイヤー矯正では、この固定源となる歯を利用して、その他の歯を少しずつ移動させていきます。
固定源となる歯は、その他の歯を動かすための支えとなるわけですから、かなりしっかりとした歯を選ばなくてはなりません。
固定源となる歯が動いてしまっては、矯正治療がうまく進まなくなるからです。
そこで、たいていは第一大臼歯や第二大臼歯などのとても大きな奥歯を利用します。
ブラケットという金具ではなく、バンドという金属製の輪が嵌め込んである歯が固定源です。
しかし、残念ながら固定源となる歯が全く動かないかというとそんなことはなく、少しは影響を受けてしまいます。
一方、マウスピース矯正では、ワイヤー矯正のようなバンドを使った強い固定源は設けません。
マウスピース自体に固定能力を加え、動かしたい歯だけに力を加え、そうでない歯を固定源とする方法を採用しています。
このため、固定源となる歯が移動するという、矯正治療の治療計画において無駄とも言える歯の動きが発生しにくいため、効率的に矯正治療が進められます。

 

マウスピース矯正は無駄な歯の動きが発生しにくい

マウスピース矯正は無駄な歯の動きが発生しにくい

 

■マウスピース矯正での歯の動き方


マウスピース矯正とワイヤー矯正では、歯の動き方も違います。
ワイヤー矯正では、歯体移動(したいいどう)という歯の動き方が中心となります。
歯体移動とは、平行に歯を移動させる動かし方です。
これは、歯がワイヤーに沿うように移動するためにできる動かし方で、ワイヤー矯正の特徴ともいえます。
一方、マウスピース矯正では、歯の動き方は傾斜移動(けいしゃいどう)という動き方になりま
す。
傾斜移動とは、歯の頭の部分である歯冠が倒れるように移動する動き方です。
移動したように見えても、歯冠ほどに歯根が動いていない動き方です。
この違い影響しやすいのが、抜歯した後の矯正治療です。
歯をきれいに並べるスペースが足りない場合、顎のサイズを大きくすることはできないので、歯を抜いてスペースを確保します。
抜歯して得られたスペースは比較的大きいので、その分、歯を動かす距離も大きくなります。
歯が平行に移動する歯体移動の場合、大きなスペースに移動させる場合でも、比較的スムーズに移動できるのですが、傾斜移動ではそうはいきません。
なぜなら、傾斜移動の場合、移動する距離が大きくなればなるほど、歯根の位置があまり変わらず、つまり歯が倒れるような向きに動いてしまう可能性があるからです。
言い方を変えると、マウスピース矯正では歯を大きく動かすような矯正治療はあまり得意ではないということになります。
あくまでも、ワイヤー矯正と比べればという意味ですが。
このように歯を大きく動かすとなると、ワイヤー矯正と比べて分が悪いマウスピース矯正ですが、それゆえに、細かな歯の移動や、部分的な歯の移動は得意となっています。
それは、マウスピース矯正では無駄な動きが生じにくいからで、言い方を変えるとワイヤー矯正は、細かな歯の移動となるとマウスピース矯正の方が上手となります。
マウスピース矯正とワイヤー矯正では、歯の動かし方に違いがあり、それぞれに得意不得意があります。
それゆえに、矯正治療の方法選びはとても大切で、矯正治療に取りかかる前のきちんとした診断と治療計画が大切である理由は、まさにここにあります。
中には、マウスピース矯正とワイヤー矯正を組み合わせることで、両者の得意領域を十分に生かした矯正治療を行うこともあります。

インビザラインのアタッチメントの種類

2021年10月29日

『目立たない』『ご自身で取り外しができる』『通院回数が少ない』などの理由により、当院で人気の高いマウスピース矯正『インビザライン』ですが、従来から行われているワイヤー矯正と比べると、適応となる歯列不正の症例に限りがあるなどのデメリットも持っています。

ところが、単にマウスピースを使うのではなく、アタッチメントというものをつけることで、適応となる歯列不正の幅がぐんと増やせます。

まさに「不可能を可能にする」のがアタッチメントの役割です。

そこで、今回は、最近注目度アップのインビザラインの適応症例を増やすアタッチメントの役割についてお話ししたいと思います。

目次

■マウスピース矯正でのアタッチメント
■インビザラインで使われるアタッチメントとは
■インビザラインのアタッチメントの種類
■アタッチメントの取り扱い
■アタッチメントの注意点

■マウスピース矯正でのアタッチメント


アタッチメントとは、歯の表面につけた突起物のことです。

マウスピース矯正では、マウスピースが歯を押すことで動かしていきます。

しかし、歯の表面はツルツルした状態ですから、マウスピースから加えられた矯正力が逃げてしまうことがあります。

そのようなとき、歯の表面にアタッチメントをつけると、マウスピースが歯に引っかかりやすくなり、マウスピースからの矯正力がしっかりと伝えられるようになります。

そのほかにも、アタッチメントにはマウスピースのフィット感をアップする役割もあります。

つまり、アタッチメントは、それ自体が歯を動かすのではなく、歯をより動かしやすくし、矯正治療をスムーズにすることを目的につけるものといえます。

したがって、矯正治療が終われば、つまりリテーナーで保定する段階になれば、アタッチメントはいらなくなるので、取り除きます。

アタッチメントは歯の表面に貼り付けているだけなので、簡単に取り除けます。

 

■インビザラインで使われるアタッチメントとは


インビザラインは、薄くて透明度の高い、そして歯に密着したマウスピースを矯正装置とした矯正治療法です。

マウスピース矯正の最大の利点は、矯正治療を受けていても、一見しただけではわからないほどの目立ちにくさにあります。

マウスピース矯正の利点を損なうことがないよう、インビザラインのアタッチメントにも目立ちにくさが求められます。

こうした条件をクリアするために、インビザラインのアタッチメントは、コンポジットレジンという歯の色にマッチした白色のプラスチック材料で作られています。

コンポジットレジンはプラスチックですが、虫歯治療でよく使われている材料なので、安全性は問題ありません。

インビザラインのアタッチメントは、四角いタイプ、丸いタイプなどいろいろありますが、いずれのアタッチメントも3〜5mmほどの厚みなので、とても薄く作られていることがわかっていただけることでしょう。

歯の色に似ている上に、コンパクトなので、インビザラインの目立ちにくさを損なうことがありません。

こうしたアタッチメントを歯の表面に接着させ、マウスピースの矯正力を高めるようにします。

 

アタッチメントはマウスピースの矯正力を高める

アタッチメントはマウスピースの矯正力を高める

 

■インビザラインのアタッチメントの種類


インビザラインのアタッチメントは、大きく分けるとインビザライン社が作る『最適アタッチメント』と、歯科医院で作る『通常アタッチメント』の2種類に分けられます。

○最適アタッチメント

インビザラインでは、矯正治療に取りかかる前に、専用のソフトウェアで歯の移動をシミュレーションします。

この結果をもとにマウスピースを作るわけですが、このとき、歯の位置や形、サイズなどによってソフトウェアが自動的に作成するアタッチメントが、最適アタッチメントです。

最適アタッチメントの形やサイズは、インビザラインのソフトウェアが、矯正治療の効率が最大限に高められるように計算して、自動的に作ります。

もちろん、最適アタッチメントをどの歯のどの部分につけるのかも、ソフトウェアが指定します。

最適アタッチメントには、いろいろな種類があります。

  • ルートコントロール用最適アタッチメント
    ルートとは、歯根のことです。
    道じゃありませんよ。
    ルートコントロール用最適アタッチメントは、歯の隙間や前歯の隙間(正中離開)を埋めたいときに多く使われ、それらの歯根を前後に動かし、歯並びの隙間を解消させます。
  • 回転用最適アタッチメント
    歯の中心軸を中心にして回転させるためのアタッチメントです。
    このアタッチメントは主に犬歯やその後ろの小臼歯という歯に使います。
  • 開咬(オープンバイト)用最適アタッチメント
    奥歯を噛み合わせたときに、上顎と下顎の前歯が当たらない歯並びを開咬(オープンバイト)といいます。
    開咬(オープンバイト)用最適アタッチメントは、上顎の前歯4本に装着し、前歯を引き出しやすくします。
  • 過蓋咬合(ディープバイト)用最適アタッチメント
    過蓋咬合(ディープバイト)とは、奥歯を噛み合わせたときに、下顎の前歯が上顎の前歯に隠されてしまって見えなくなるような噛み合わせのことです。
    この最適アタッチメントは、下顎の前歯や小臼歯に貼り付けて、奥歯を引き出すことで過蓋咬合の改善を図ります。
  • アンカレッジ用最適アタッチメント
    この最適アタッチメントは、抜歯部分のスペースを閉じるように設計し、抜歯をしなければならないような歯列不正の矯正治療の際に使います。

 

○通常アタッチメント

こちらは、インビザラインのメーカーが作るのではなく、歯科医師が臨機応変に歯につけるアタッチメントです。

大きさや位置も歯科医師の裁量で調整します。

 

■アタッチメントの取り扱い


インビザラインのようなマウスピース矯正は、ご自身の手でマウスピースを付けたり外したりできるのが利点です。

では、アタッチメントもご自身の手でつけたり外したりできるのかというと、そうではありません。

アタッチメントは歯科医師が専用の接着剤をつけて歯にしっかりと貼り付けます。

外すときは、リムーバーという器具を使って歯の表面から剥がします。

剥がしたままですと、表面がざらざらとしてしまいますから、専用の器械を使って、きれいに磨きます。

アタッチメントに関しては、つけることも外すこともできないのです。

 

■アタッチメントの注意点


○アタッチメントが外れたとき

アタッチメントは、歯に接着しただけのものなので、外れないとも限りません。

しかし、たとえ外れたとしても、すぐに治療計画に影響が出るものでもありません。

ですが、外れた状態を放置していると矯正治療がうまく進まなくなる恐れがありますので、放置したままにはしないようにしてください。

 

○マウスピースの付け外しが難しくなる

アタッチメントには、マウスピースのフィットを高める働きがあります。

そのため、マウスピースを装着したり、外したりするのが難しくなります。

そこで、マウスピースをつけるときは無理なくゆっくりと入れてください。

外すときはマウスピースの端に指先を当てて広げるような感じで外すようにするといいでしょう。

 

○着色汚れがつきやすい

アタッチメントはコンポジットレジンでできています。

歯とコンポジットレジンの境などに食べ物や飲み物に含まれる色素が入り込み、着色汚れを生じさせてしまうことがあります。

あくまでも着色汚れだけなので、虫歯ではないのですが、せっかく目立たないインビザラインを選んだわけですから、矯正治療を受けている間は、色の濃い食べ物や飲み物を避けることをおすすめします。

 

○慣れるまでは口内炎ができやすい

アタッチメントは、歯の表面の突起のようなものです。

したがって、これが頬や唇などに当たると、粘膜が傷つくことがあります。

アタッチメントに頬や唇が慣れるにつれて、こうしたことは起こらなくなりますが、しばらくの間はそのようなリスクがあります。

良い歯並びとは

2021年10月22日

みなさんはマウスピース矯正(インビザライン)ってご存知ですか?
歯科矯正というと、多くの方が歯に金属のワイヤーをつけるイメージをもたれているのではないでしょうか。
インビザラインはアメリカで生まれた治療方法で透明で目立たないマウスピースを使用した矯正治療で、金属のワイヤーをつける矯正に対して、見た目の抵抗感をもたれている方も、インビザラインであれば、それほど目立たずに矯正治療ができるので、若い方や社会人からの人気もあり、矯正する人も増えています。

目次

■歯科矯正が大事な理由
■インビザラインと従来の矯正は何が違うのか
■当院はインビザライン「ダイヤモンドプロバイダー」認定医院です

■歯科矯正が大事な理由


そもそも矯正治療に抵抗を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
大人になってからではもう悪くなった歯並びはどうにもできないのでは・・など諦めていらっしゃる方もいるかもしれません。
そもそも前提として、矯正治療を「歯並びを綺麗にするため」という風に思っていらっしゃるとすると、それは間違いではありませんが、少し補足が必要です。
歯並びを綺麗にすることによって、本来あるべき歯の機能をきちんと発揮できる環境を整えることができるのです。
歯並びが良いとは審美性と機能面の両方を兼ね備えていることです。
審美性については見た目に関する問題のためわかりやすいと思います。
極端なお話だと見た目は揃っていて、噛み合わせがずれていると一部の歯にダメージを与えてしまうことがあります。
つまり、歯並びを良くすることは健康と見た目の両方のメリットがあります。

○噛み合わせがよくなる

しっかり上下の歯が噛みあうことで、均等に力が入り体のバランスも良くなります。
噛み合わせが悪いことで体に歪みが生まれ、肩こりや頭痛を引き起こす可能性があります。
噛み合わせを改善することによって、こうした健康の問題を改善できるかもしれません。

 

○虫歯になりにくくなる

歯並びが悪いと、凹凸が増えるので、ブラッシングの際に磨き残しができやすくなり、そこから虫歯ができやすくなります。虫歯予防の観点からも歯並びを整えると、歯磨きが楽になるので、メリットが大きいといえます。

 

○歯周病を防ぐことができる

虫歯と関連しますが、歯垢が歯肉にたまることによって、歯石となり、それが歯周病の原因となります。歯並びが悪いと歯肉にも磨き残しができやすくなるので、歯周病にもなりやすいです。歯周病が進むと、最悪のケースでは抜歯が必要になります。
ご自身の歯と一生付き合っていくためには、歯周病予防は必要不可欠だと思います。
そういった意味でも矯正治療を行うことは、長く自分の歯と付き合っていくことにも繋がっているといえます。

 

○見た目に自信ができる

矯正治療をすることによって、歯並びがよくなるので、自分の見た目にも自信をもつことができます。歯並びが綺麗だと、笑顔の印象もとてもよくなりますし、見た目の印象は仕事にも影響します。
メラビアンの法則というのがあります。人の印象は7%が言語情報、38%が聴覚(声のトーンや大きさなど)、そして55%が視覚です。
つまりパッとみた時の印象がその後にも影響を与えます。人は3〜5秒で第一印象をもち、それが2年続くと言われるので、見た目というのはプライベートにおいても仕事においても大事な要素です。

 

■インビザラインと従来の矯正治療とは何が違うのか


インビザラインは冒頭にもお話した通り、透明で矯正が目立たないマウスピースを使用するため、見た目で大きく目立つことはありません。
昔からマウスピースでの矯正も確かにありましたが、難しい症例に対応ができなかったり、気軽に扱える治療法ではありませんでした。
基本的に一定の歯並びにしか対応できなかったり、歯科技工士の方が手作業でまさに職人の域で作業をするために、技工士さんによって技術のバラツキがあったり、一つ一つのマウスピースを作るのに時間がかかるため、多くの患者さんに対応することも難しい状況でした。
インビザラインはコンピューターで緻密に計算して、患者さんそれぞれに合わせたオーダーメイドでのマウスピースを作ることによって、それまでできなかった多くの症例にも対応できるようになり、今では世界中で取り入れられている矯正治療の手法です。
コンピューターを使うため、全て手作業で行っていた時よりも制作も効率化されたので、多様のマウスピースを以前よりも多くの患者さんに供給できるようになりました。そして事前にシミュレーションを行うことができるため、もっとも効率の良い歯の動かし方で、無駄なく、痛みや違和感も最小限に抑えることができます。
上記のような背景があり、インビザラインは矯正治療において当たり前のものとなっており、インビザラインによって、矯正がより気軽にできるようになりました。
さらにインビザラインが好まれる理由の一つに、自分で取り外しができるという点も挙げられます。ワイヤーでの治療の場合、自由に取り外しができなかったので、食事や歯磨きがしにくいというデメリットがありました。しかし、インビザラインは状況に応じて、ご自身で取り外しをしていただけるので、食事や歯磨きも問題なくできます。
なので、矯正中でも今まで通り美味しくお食事していただけますし、歯磨きもしやすいので、虫歯のなりやすさという意味ではインビザラインで改善されるといえます。
ただし、外す時間が長くなってしまうと矯正治療の期間が伸びてしまう可能性があり、ご自身で管理していただく必要は出てきますので、ご注意ください。
ちなみにインビザラインは金属を一切使用していないので、金属アレルギーの方も問題なくご利用いただくことができます。

 

インビザラインは透明で矯正が目立たないマウスピースを使用

インビザラインは透明で矯正が目立たないマウスピースを使用

 

■当院はインビザライン「ダイヤモンドプロバイダー」認定医院です


ほかの治療と同様、インビザラインにかかる治療費は決して安いものではありません。
そして長期間での治療が必要になります。なので、安心できる歯科医院で納得をした上で治療を受けていただくことが重要だと考えます。
マウスピース矯正には7つのランクが設定されています。
当院は豊富な治療実績をもつ歯科医院のみが認定される「ダイヤモンドプロバイダー」という上位クラスの認定を受けております。また当院の担当医はインビザラインの「認定医」資格も取得しておりますので、安心して矯正治療を受けていただけます。
さらに当院ではシステムを駆使して治療前に治療後の歯並びのシミュレーションなどを無料で実施することができるため、治療後の状態も事前にきちんと把握した上で矯正治療に臨むことができます。
歯科矯正の平均的な治療期間は2年〜2年半と言われています。当院ではそうした長期間のフォローやケアもしっかりさせていただきます。
しかし、必ずしも全ての患者さんがインビザラインに適応するかと言われるとそうとも言い切れないのが現実です。
ですので、患者さんお一人お一人に治療方針をご納得いただいた上で、進めていくために、また人によってお口の中の状況や必要な治療も異なってきますので、個別でご相談も承っています。
安心で安全な矯正治療を受けて、美しい歯並びを手に入れていただくために、お気軽に当院にご相談ください。

 

インビザラインについて

2021年10月15日

「マウスピース矯正とは」
みなさん歯列矯正というとどのようなイメージをお持ちでしょうか?
歯列矯正というと口元がギラギラして、銀色のワイヤーが目立つイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。ニコッと笑うとギラっと見える矯正装置が、とてもインパクトがありますよね。
欧米では歯にお金をかけることこそがステータスになっているので、「矯正治療をしている=裕福な家庭」とみられることが普通のようです。
あとは「矯正って痛そう!」「矯正期間が何年もかかりそう」「そんなに長い期間歯に装置をつけた状態でいるのは抵抗がある」「歯磨きができなくて虫歯になりそう」など、ネガティブなイメージを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし近年では、歯科に「審美」を求める方が増え、歯並びの見た目を重要だと考える方が一般的になりつつあります。

目次

■見た目が気になる方はマウスピース矯正を!
■マウスピース矯正に向いている方
■マウスピース矯正のメリット
■マウスピース矯正のデメリット
■マウスピース矯正の「インビザライン」について
■当院は、「インビザラインダイヤモンドプロバイダー認定医院」、担当医は「インビザラインの認定医」です!
■当院からのメッセージ

■見た目が気になる方はマウスピース矯正を!


マウスピース矯正とは、ワイヤーやブラケットと呼ばれる矯正装置を使用することなく透明なマウスピース型の矯正装置で歯列を整えていく新しい矯正の方法になります。
歯科医院で歯型を採取し、その方専用のマウスピースを作成します。患者様の理想となる歯並びになるまで段階ごとに新しいステージのマウスピースを作成し交換しながら少しずつ歯を理想の位置まで動かし、歯並びを整えていく方法です。
人前に出るようなお仕事をされている方でも、人に気付かれることなく歯列矯正をすることができるのがこのマウスピース矯正です。

 

■マウスピース矯正に向いている方


  • 矯正治療中の「見た目」を重視される方
    ワイヤー矯正は見ためが気になる・人前に出る仕事をしている・目立つ矯正には抵抗があるという方。
  • スポーツや金管楽器などをされている方
    スポーツ中にボールが口元にぶつかった時などに、マウスピース矯正であれば大怪我をしなくて済みます。
    サックスやフルートなどの楽器をされている方は、取り外しができるので問題ありません。
  • 金属アレルギーの方
    マウスピース矯正は金属を使用しないので、金属アレルギーの方でも安心な矯正治療です。
  • 不正歯列が軽度〜中程度な方
    マウスピース矯正は、どんな場合でも適応できるわけではないので、まずは適応しているかどうかドクターに診てもらう必要があります。

 

■マウスピース矯正のメリット


  • 矯正中なのに目立たない!
    装置が透明なので目立ちにくいです。
  • 取り外しが可能!
    食事の時には外せるのでストレスが少なくて済みますし、矯正治療中もしっかりと歯磨きができることで矯正中でも虫歯の予防をすることができます。また、大事な行事の時には取り外すことができますので矯正治療開始のタイミングも気にしなくて済みます。
  • 通院回数が少なくて済みます!
    ワイヤーの矯正やマウスピース矯正の種類にもよりますが、インビザライン以外のシステムの場合は比較的通院回数が多くなります。通常はおよそ 2~3 週おきです。
    インビザラインは基本的に 1 回(ズレが発生しても 2〜3 回)歯型を採ってまとめて作製しお渡しします。
  • 痛みを感じにくい!
    マウスピース矯正でも歯を動かす際に生じる違和感や多少の痛みを感じる方はいらっしゃいますが、基本的には歯を数 mm ずつ動かすように無理のないマウスピースの設計になっていますので、装着時の痛みを相対的に感じにくいです。
  • 虫歯・歯周病のリスクが低い!
    マウスピース矯正は着脱が可能なことから食事の時に外したり、歯磨きする時もしっかりと普段通り磨くことができるので矯正中の虫歯リスクが低い矯正治療と言えます。また、口腔内を常に清潔な状態に保てるので、ワイヤー矯正で時々できてしまう口内炎の発生も少ないです。
  • 抜歯ケースでも対応可能
    抜歯が必要な方の治療は難易度が高いと一般的にマウスピース矯正では言われております。
    そのため経験が浅い先生に相談するとインビザラインは使用できないとマウスピース矯正での治療を断られることがあります。
    当院では抜歯が必要なケースも対応可能です。
    歯並びによってはワイヤー矯正と併用するケースもございます。

 

マウスピース矯正には様々なメリットがある

マウスピース矯正には様々なメリットがある

 

■マウスピース矯正のデメリット


  • 適応症例が限られる
    マウスピース矯正の場合どのような歯並びでも対応できるというわけではありません。不正歯列の程度が重度であるとマウスピース矯正は選択肢から外さないといけないケースもあります。
  • 自己管理によって治療効果が変わる
    着脱ができるというメリットの反面、着脱ができるということは患者様ご本人が装着の規定時間を守らなければ結果は伴いません。自己管理能力が重要になってきます。規定の時間を守ってない場合には治療期間が長引く場合があります。
  • 紛失・あるいは破損する恐れがある
    着脱が可能でマウスピース本体が透明なことから、紛失・破損してしまうことが時々あります。
  • 装着中の飲食に制限がある
    マウスピース装着中は、基本的には飲食ができません。ちょっとした間食の際もマウスピースを外して食べることになります。また再装着の際には歯磨きをしてから装着することになりますので、間食がしづらいかもしれません。これまでに間食が習慣化されている方は、これを機に食生活の改善をされてはいかがでしょうか。

 

■マウスピース矯正の「インビザライン」について


マウスピース矯正にはいくつかの種類があります。
その中でもインビザラインは世界でもっとも治療実績のあるシステムと言われており、米国のアラインテクノロジー社が提供を開始した歯列矯正で、一見、矯正中と気が付かれない程自然な見た目が特徴です。
またインビザラインの治療実績は累計 600 万件以上に及びますので、様々な症例に対応ができます。
中でも最大の特徴は、他のマウスピース型矯正歯科装置と比べて来院回数を大幅に短縮できるというところです。
通常のマウスピース型矯正歯科装置は通院の度に型取りをし、新しいマウスピースを何回も作成しなくてはなりません。しかしインビザラインは基本的に一回歯型を採れば 3 次元画像化システムを使うことにより、治療開始から完了に至るまでの歯の移動をコンピューター画面上で画像および動画として確認することが可能なのです。患者さまの通院回数を減らすことが実現できる矯正治療となります。

 

■当院は、「インビザラインダイヤモンドプロバイダー認定医院」、担当医は「インビザラインの認定医」です!


当院は、インビザラインの提供元であるアラインテクノロジー社からインビザラインの症例数を評価いただき、認定を受けております。これは、矯正歯科医院選びの一つの基準になると思うので参考にして頂ければ幸いです。
インビザライン矯正を扱う歯科医院は、世界共通基準で、年間症例数により 7 つのランクに分けられております。「インビザラインダイヤモンドプロバイダー」とはそのトップクラスにあたり、インビザライン矯正(マウスピース矯正)を年間 150 症例上行った医院が認定されます。
また、当院に在籍する担当医は、インビザラインの認定医の資格を取得しておりますので、インビザライン矯正のエキスパートによる治療が受けることが可能です。

 

■当院からのメッセージ


矯正治療で一番ポピュラーなのはワイヤー矯正ですが、医学の進歩とともに現在では矯正治療中でも快適に過ごせる治療方法もどんどん出てきています。現在では、患者様のニーズに合わせた矯正治療の種類をご自身で選択できる時代です。
歯並びは、見た目はもちろんのこと、噛む機能としても大事です。歯並びのことで気になることがありましたらぜひお気軽に二子玉川駅前デンタルデザイン歯列矯正歯科にご相談ください!

マウスピースのお手入れ

2021年10月8日

インビザラインは薄くて透明に近く、矯正していることが周囲の人にわかりづらいと評判です。

人の目を気にすることがなく歯列矯正を始められます。接客業の方や女性に人気の矯正治療です。

今日はインビザラインの正しいケア方法について注意点をご紹介いたします。

 

インビザラインは、マウスピースを装着して歯を移動させる矯正です。可撤式装置(患者さん自身で取り外しが可能)のため、患者さんご自身での装置の管理が重要になってきます。

装着時間は1日22時間と、1日のうち大半用いるマウスピースは清潔にしておきたいですね。

マウスピース型の矯正治療を開始する前やカウンセリングを受ける前にどんなケアが必要か、取扱い方法を確認しておきたい方も多いと思います。

目次

■インビザラインの取り外し方法
■お手入れの重要性
■インビザラインの保管方法
■装着中の注意

■インビザラインの取り外し方法


インビザラインは今までの矯正装置のイメージである、「常に装置が口腔内にあることによる歯磨きの際の磨きにくさ」がありません。

歯を移動させる力をきちんと加えるために合うように作成されています。

そのため、すぐに取り外すことができません。「アタッチメント」という小さな矯正装置を歯につけることがあります。アタッチメントがつくと外しづらくなります。しかし外し方にはコツがあります。正式な順序を踏むと取り外しやすくなるでしょう。

左右一方の奥歯の内側から、指先をマウスピースに引っかけ、浮かせる感じです。ここでのポイントが、焦らずにゆっくりと少しずつ行っていくことです。爪に注意し、引っかけてください。片方が浮いたら反対も浮かせ、前の方を外していきます。マウスピースを交換したばかりだと多少痛みがあります。2~3日すると外すのも楽になると思います。

 

■お手入れの重要性


インビザラインは外すと、毎回しっかりと洗浄してください。

唾液が付着した状態で置いておくと石灰化し、マウスピースが変色したり、臭くなることも。透明で目立ちにくい矯正装置というメリットが、唾液で白く着色するとデメリットになってしまいます。

せっかくのメリットが失われるのは避けたいですよね。洗い方は基本的に手でこすりながら水洗いします。お湯を使うと変形することもあるのでNGです。汚れをこすり洗いのみで落とせない場合は、柔らかい歯ブラシを活用したいです。ですが、歯磨き粉は傷つける可能性がありますから、使用はNGです。少し力を入れすぎると破損や、変形の要因になるので注意してください。表面と内側と磨くことを忘れないようにしてください。

マウスピース専用の洗浄剤もあります。使用方法は洗浄剤次第で変わりますが、基本的にはぬるま湯に洗浄剤を入れて、マウスピースを浸して、水ですすぐ手順ですから、すごく簡単に頑固な汚れや臭いを短時間で簡単に取り除いてくれます。

インビザラインはご自身で外さなければいけません。

もし、着用したままご飯を食べてしまい、汚れがついた際は専用の洗浄剤を用いましょう。

通常の洗浄剤は、マウスピースが変色等する可能性もあるので、専用のアイテムを使用することをお勧めしております。洗浄した後はよく乾燥させます。乾かさないと細菌が不潔になります。

乾燥させる方法は、ケースにティッシュを置き、装置をその上に置いて蓋を開けたまま乾燥させるといいです。1日に1回はしっかり洗浄してください。可能な限り、毎食前外す際に洗うのがおすすめです。

 

インビザラインは1日1回はしっかり洗浄

インビザラインは1日1回はしっかり洗浄

 

■インビザラインの保管方法


飲食の際にはそのままテーブルに置くとご自身だけでなく、周囲の方の不快感につながってしまいます。専用のケースに入れて保管してください。

外出時は特に注意が必要です。外したら専用のケースに入れるという習慣を身につけるようにしましょう。

ケースに入れなければ、不衛生になりますし、誤って破損してしまったりすることがありますから注意しましょう。

マウスピースをつけていると、お口の中が乾燥しやすくなりますから、水分補給はこまめにしてお口の中を潤してくださいね。

変形しやすい素材でできているため、破損や紛失してしまった場合は再作成が必要となるケースもあります。

使用し終えたマウスピースと分けて保管し、そしてマウスピースを外した後は絶対にケースに入れるようにしましょうね。

もし破損や紛失した場合はすみやかにご連絡くださいね。

 

■装着中の注意


マウスピースを装着したまま飲食、喫煙はしないでください。

装着しているときは水以外は飲まないようにして、どうしても飲みたい場合にはマウスピースを外してから飲むようにしましょう。

紅茶やコーヒー、ワインなどの場合は、色のある飲み物なので必ず汚れてしまいます。透明だからと油断してお湯を飲むことは避けてくださいね。装着したまま高い温度の飲み物を飲むと、マウスピースにゆがみや破損が生じます。マウスピースが装着できないというトラブルの原因になります。飲んだあとは歯磨きやうがいを忘れずにしましょう。

マウスピースを装着した状態で無理に食べ物を噛むことによりマウスピースやアタッチメントが傷つくリスクがあります。

飲食の際はお手洗いへ行って外し、ゆすいだ後ケースに入れて保管しましょう。ティッシュにくるんで置いておき、そのまま席を外して外食先のスタッフや家庭内でご家族にゴミと間違えられ、マウスピースを捨てられる可能性があります。

ご自身の歯並びを綺麗にするための歯列矯正ですが、周囲の方への配慮もしつつ進めることで紛失というトラブルを回避でき、ご自身だけでなく周囲の方の精神衛生も保った矯正治療が行えます。

マウスピースの衛生面にも影響してくることになりますので、清潔に保ち、綺麗な歯並びを目指して頑張りましょう。

また、マウスピースに食べかすが付いているまま装着すると虫歯の原因になったり、マウスピース自体が傷んでしまう可能性があります。

飲食の後は、歯磨きを行った後にマウスピースをつけると綺麗に保つことができます。

 

インビザラインの日々のケアはご自身の口腔内を清潔に保つために欠かせません。

毎日の積み重ねが治療に大きく影響を与えるので、毎日のルーティーンとしてケアするようにしましょう。

もっとも重要なことは、自己管理が大切な治療のため治療終了まで綺麗な歯並びを目指して治療をやり遂げることです。装着時間の厳守やケアを怠ると歯が動くまでに時間がかかり、その分治療期間が長引きます。

取り外し可能でいつでも簡単にケアができ、口腔内を健康な状態に保つ事ができます。

矯正治療したいけど目立つのが困ると始められなかった方はぜひ目立ちにくい透明のマウスピース型矯正装置で一緒に綺麗な歯並びを目指しましょう。

 

マウスピース矯正の詳細は「マウスピース矯正」をご覧ください。

矯正治療が終わった後は保定をしよう

2021年10月6日

長い年月をかけて矯正治療を受けて、歯並びをきれいにできたとしても、そのままの状態でいると後戻りを起こして、再び歯並びが乱れてしまいます。

これは、当院で行っているインビザラインのようなマウスピース矯正でも同じです。

そこで、後戻りを防ぎ、いつまでも歯並びをきれいな状態に保つために行われるのが、保定(ほてい)です。

今回は、矯正治療が終わった後の保定という治療についてお話ししますね。

目次

■保定ってなに?
■保定の種類はふたつ
■自然的保定
■器械的保定
■保定期間

■保定ってなに?


○保定ってなに?

先ほど、保定とは、矯正治療後の後戻りを防ぐことといいましたが、正しくいうと、歯や顎を適切な位置に移動した状態を保持することとなります。

そして、さらには、矯正治療を終えた後の歯や顎、顔の形態や機能を安定させて、噛み合わせという歯の本来の機能を、将来にわたって保つようにしようというところまで含まれています。

保定とは、顎の骨をも含んだ治療、そして将来のお口の機能を保つための治療ということがわかります。

 

○どうして後戻りが起こるの?

では、どうして一度きれいに整えた歯並びが後戻りを起こすのでしょうか。

それは、歯並びや顎は、矯正治療に取りかかる前の乱れた状態で、それなりに均衡が保たれていたからです。

矯正治療で、歯並びや顎を理想的な位置に移動させるということは、治療前の落ち着いた状態を崩すことに他らないからです。

人の体は、落ち着いた状態が崩れると、元の落ち着いた状態に戻ろうとします。

歯並びや顎も同じです。

矯正治療を終えた後、元の落ち着いた状態に戻ろうとするわけです。

そこで、新しい歯並びや顎の状態に体が慣れるまでの一定期間、保定をすることで後戻りを防ぎ、新しい歯並びや顎の状態で落ち着くようにするわけです。

保定している間だけでなく、保定が終わったあとに歯並びが再び悪化してしまっては、矯正治療そのものが無意味になってしまいますから、保定は矯正治療の最終段階としてとても重要ですし、治療の成否にも関わる処置なのです。

 

■保定の種類はふたつ


ひとことで保定と言っても、実は自然的保定と器械的保定の2種類に分けられます。

自然的保定とは、矯正治療を終えて、理想的な歯並びや顎の状態になったのち、その状態を何らかの矯正装置を用いることなく、ご自身の体の力で保とうとすることです。

器械的保定とは、矯正装置によって矯正治療後の歯並びや顎の状態を保つ保定です。

保定は、自然的保定が理想ですが、矯正治療後すぐに自然的保定を得ることはできません。

自然的保定を得るまでの間の保定が器械的保定の役割です。

言い換えると、器械的保定とは矯正治療と自然的保定の架け橋といった感じですね。

 

保定には自然的保定と器械的保定の2種類がある

保定には自然的保定と器械的保定の2種類がある

 

■自然的保定


理想的な保定状態である自然的保定にもいくつかの種類があります。

○筋肉の働きによる保定

実は、歯の位置や向き、並び方などは、お口の周囲のいろいろな筋肉のバランスの上に保たれています。

矯正治療を終えたのち、後戻りが生じるのはお口の周囲の筋肉のバランスが崩れてしまった結果という見方もできます。

例えば、上顎前突症では一般的に唇の筋肉の力が弱い傾向があります。

上顎の前に出っ張った前歯を後ろに下げても、唇の筋力が弱いままですと、唇が歯を後ろに押さえ続けることができないので、再び前歯が前に出てしまいます。

このようなときには、唇やお口の周囲の筋肉を鍛えることが必要です。

下顎前突症では舌を前に出す癖が多く、同じように舌の筋肉のトレーニングが欠かせません。

お口の周囲の筋肉をトレーニングすることで治療後の歯並びを保つというわけですね。

 

○噛み合わせによる保定

歯が理想的に並んでいないとき、もしくは上顎と下顎の歯が適切に噛み合っていないとき、噛み合わせたときに生じる力は、歯の位置や向きを悪くする方向に働いてしまいます。

言い方を変えると、噛み合わせが安定しているようなら、歯並びも安定することになります。

そこで、歯の形や大きさに異常がある場合には、歯の位置を整えるだけでなく、噛み合わせの調整も行って、正しい噛み合わせが得られるようにし、噛み合わせの安定を図ります。

 

○それぞれの歯に応じた向きを得ることによる保定

歯は、ひとつとして同じ形はなく、それぞれの歯に応じた適切な歯の向きや傾き、噛み合わせがあります。

仮に、下顎の前歯の根が平行でなかったり、内側に傾いていたりすると、歯並びの安定性が悪くなります。

歯の向きや傾きだけでなく、隣の歯との並びも平行になるようにすることが、歯並びの安定につながります。

 

○前歯の重なり合いによる保定

上顎と下顎の前歯の重なり合いを縦方向はオーバーバイト、水平方向はオーバージェットと言います。

もし、オーバーバイトが大きすぎると、下顎の前歯が後ろに、上顎の前歯が前に傾く原因となります。

重なり合いも正しくすることも保定のひとつです。

 

○歯周組織による保定

歯周組織とは、歯を支える組織のことで、歯の周囲の歯槽骨という骨や、歯肉、骨と歯根を繋いでいる歯根膜という靭帯状の組織、歯根の周囲を覆うセメント質などがあります。

矯正治療で歯が移動するのは、歯の周囲の歯槽骨が吸収されて、あるいは新しく作り出されるからです。

しかし、歯の移動が終わったとしても、歯槽骨以外の歯周組織が新しい状態にすぐに馴染むわけではありません。

特に馴染みにくいのが、捻転というねじれた状態にあった歯並びを治した場合です。

捻転していた歯の歯周組織の安定は、非常に長期に及ぶことがわかっています。

歯周組織が安定すると歯並びも自然と安定するため、安定した歯周組織を得ることも重要です。

 

■器械的保定


矯正治療後の後戻りを防ぐ保定は、自然的保定が最もいいということは言うまでもありません。

何しろ、なにもしないでも整えられた歯並びを維持できるわけですからね。

しかし、残念ながら歯並びを整えた直後から、自然的保定ができることなんてほとんどありません。

自然的保定が得られるまでの間は、矯正装置によって矯正治療を終えた後の状態を保つ器械的保定が必要とされる場合が大半です。

この器械的保定に用いられる矯正装置を保定装置といいます。

 

○保定装置の条件

保定装置に求められる条件は、矯正装置のそれとは違ったものになります。

  • それぞれの歯をきっちりとめない
    意外に思われるかもしれませんが、保定装置では歯1本1本をかっちりと留めることはありません。
    ある程度、自由に動けるだけの遊びがあります。
  • 顎の成長発育を邪魔しない
    成長期の子供さんに使う保定装置の場合は、顎の成長発育に伴う歯の移動を妨げないようにします。
  • 調整が簡単
    保定期間は長期にわたるため、保定装置を修理したり調整したりすることもあります。
    そのようなときに簡単に修理したり調整したりできる形が望ましいです。
    壊れにくいことは言うまでもありません。
  • 目立たない
    矯正治療が終わって、せっかくきれいな歯並びになったのに、保定装置が目立ってしまうようでは困りますよね。
    したがって、保定装置は外観にあまり触れず、目立たないデザインである必要があります。
  • 清掃が容易
    保定期間中は、矯正治療中ほど歯科医院に通わなくなります。
    そのため、保定装置をつけたことによって虫歯や歯周病にならないように、歯磨きなどのお口のケアに支障が出ない形にします。
  • 発音や食事に影響しない
    保定装置をつけたまま会話をしたり、食事をしたりすることができるように設計します。

 

○保定装置の種類

保定装置は、上記のような条件を満たすため、いろいろなタイプが考案されています。

取り外しができる可撤式、接着剤でつけてしまう固定式が代表的ですが、半固定式や顎外保定装置などもあります。

◇ホーレータイプ保定装置

ホーレータイプの保定装置は、可撤式保定装置のひとつで、現在、もっとも多く用いられている保定装置のひとつです。

基本的には上顎に用いられるため、上顎の歯並びの内側を覆う口蓋床とよばれる薄いプラスチックの部分と歯並びの表側を通っている唇側線と言う細いワイヤー、そして外れないように奥歯に引っ掛けているクラスプという金具からできています。

ホーレータイプの保定装置は、24時間ずっとつけ続けます。

使用期間は、症状によって変わりますが、おおむね2年くらいですね。

 

◇アクチバトールタイプ保定装置

アクチバトールタイプ保定装置も可撤式保定装置のひとつです。

アクチバトールタイプ保定装置も上顎に装着する保定装置なのですが、ホーレータイプよりも一回り大きく、装着すると下顎の歯にも作用します。

上顎前突症や噛み合わせが深い過蓋咬合の治療後の保定装置として使われるほか、舌を前に出す癖や指を吸う癖など、歯並びを悪くさせかねない癖を持っている人の癖を治す目的にも使われます。

 

◇トゥースポジショナー

トゥースポジショナーも可撤式保定装置のひとつですが、先にお話しした2種類の保定装置と異なり、マウスピースのような形をしています。

トゥースポジショナーはやわらかく弾力性があります。

この弾力性を利用して、矯正治療を行なったのちに少し残った歯並びの隙間を閉じるなど、単に後戻りを防ぐだけでなく、保定治療中に歯を少し移動させたりするようなことにも使えるのが利点です。

 

◇犬歯間保定装置

犬歯間保定装置は、接着剤で歯にくっつける固定式保定装置です。

名前にある通り前から3番目にあたる犬歯から犬歯の間に使います。

以前は、犬歯に金属製のバンドをつけてその間にワイヤーを通していましたが、現在では接着剤の性能が高まってきたこともあり、バンドをつけず歯に直接ワイヤーを接着するタイプが主流です。

固定式保定装置といえば犬歯間保定装置と言ってもあながち間違いはないほど、固定式保定装置の中でもっともよく使われています。

上顎でも下顎でも使うことができますが、特に下顎の前歯の歯並びを整えた後に使われます。

 

■保定期間


保定装置を装着する期間は、年齢や元の歯並びの状態、矯正治療の経過などによって異なり、一律に決めることはできません。

一般的には、矯正治療に要した期間がひとつの目安とされ、それと同じだけの期間保定装置を装着します。

もちろん、それより長くなることもあれば、反対に短くなることもあります。

二子玉川駅前デンタルデザイン歯列矯正についてご紹介

2021年10月6日

矯正歯科医院ってたくさんありますよね。

歯並びをきれいに整えようと思ったとき、どの矯正歯科医院を受診しようかと迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

矯正治療と一言で言っても、実はいろいろな方法があることはご存知でしょうか。

仮にAという治療法での対応が難しい場合、Bという治療法で対応するとうまくいくというように、ひとつの方法に拘らず、症状に応じて柔軟に治療法を選ぶことが、歯並びを理想的な状態に整えるためにとても大切です。

そのためには、さまざまな矯正治療の方法に習熟しておく必要がありますが、矯正の専門歯科医院でもなかなか難しいのが現実です。

しかし、当院では、いろいろな治療法に対応していますし、もちろん、それらの治療経験も大変豊富です。

今回は、当院で行なっている矯正治療法についてご紹介します。

 

そこで、今回は、当院「二子玉川駅前デンタルデザイン歯列矯正歯科」の特徴をご紹介しようと思います。

目次

■当院はインビザラインの認定医
■マルチブラケット矯正
■裏側矯正
■アンカースクリュー
■部分矯正

■当院はインビザラインの認定医


近年、人気が高まっているマウスピース矯正の中でも、世界で最もシェアの高いのがインビザラインです。

世界シェアが広いということは、それだけ実績も多く、支持されているということの裏返しでもあります。

そのインビザラインでは、認定医制度を設けています。

当院は、インビザラインの認定医資格を持った歯科医院です。

インビザラインは、コンピューターにより歯の動きをシミュレーションする矯正治療法を確立したことで知られています。

コンピューターでシミュレーションするから、矯正の専門医じゃなくても、それこそ研修医でもできそうに思ってしまいませんか?

そのようなことはありません。

簡単そうに見えて、実はマルチブラケット法などのその他の矯正治療よりも深い知識と経験が要求される治療となっています。

そこで、インビザラインでは、安心してマウスピース矯正を受けていただくために、インビザラインの認定医制度を設けているのです。

 

当院では、このインビザラインの認定医基準をクリアし、インビザラインからインビザドクターの認定を受けています。

また、インビザラインの治療経験が大変多く、インビザドクターの資格に加えて、当院では、このダイヤモンドプロバイダーの認定も受けています。

インビザラインは、マウスピース矯正の先駆けともなった治療法です。

世界的に見ても、最も成功したマウスピース矯正と言っても間違いではなく、世界トップのシェアを誇っています。

他の矯正歯科医院で、インビザラインでの治療は難しいと言われた方も、当院なら対応できるかもしれませんから、一度ご相談ください。

ご自身でマウスピースを交換して歯を移動させる矯正治療のため、1日の装着する時間が決まっています。

指定された時間装着しながら、治療の段階に合わせて新しいものに付け替えていきます。

マウスピースを入れたり、外したりするのは、治療を受けているご自身です。

デメリットとしては適切にマウスピースを管理しないと、予定通りに矯正治療が進まなくなってしまうことだと思います。

メリットはほかの矯正装置による治療とは違って食事の際には装置を取り外せるので、食べ物が装置に挟まったり、くっついたりする心配がありません。

そのため、これまでと同じように食事を楽しむことができます。

 

矯正治療と一言で言っても、実はいろいろな方法があることはご存知でしょうか。

仮にAという治療法での対応が難しい場合、Bという治療法で対応するとうまくいくというように、ひとつの方法に拘らず、症状に応じて柔軟に治療法を選ぶことが、歯並びを理想的な状態に整えるためにとても大切です。

そのためには、さまざまな矯正治療の方法に習熟しておく必要がありますが、矯正の専門歯科医院でもなかなか難しいのが現実です。

しかし、当院では、いろいろな治療法に対応していますし、もちろん、それらの治療経験も大変豊富です。

当院で行なっている矯正治療法についてご紹介します。

 

■マルチブラケット矯正


矯正といえば目立つワイヤーを想像する方が多いと思います。

調べているとよく「マルチブラケット」ってみかけませんか?

マルチブラケット矯正は、歯の表面にブラケットという金具を付けて、ワイヤーを利用して歯を移動させる矯正治療で、最もオーソドックスな矯正治療法です。

100年にほどに及ぶ長い歴史があり、ほぼ全ての歯並びに対応しているほどの適応範囲の広さが特徴です。

ほぼすべての歯列不正を治せるほどの応用範囲の広さが利点ですが、ブラケットが目立ってしまうのが難点です。

慣れるまで歯を磨きにくい、お食事の際に挟まる、矯正装置が当たって口内炎を作ることもあります。

当院では、セルフライゲーションブラケットという特殊なブラケットを使い、ワイヤーも白くコーティングされたものにすることで、マルチブラケット法の難点を解消した違和感の少ない治療法を提供しています。

そのため、マルチブラケットによる矯正治療を受けていただくと、デメリットよりも利点が多く、患者様に安心して受けていただくことができます。

 

マルチブラケット矯正はほぼすべての歯列不正を治せる

マルチブラケット矯正はほぼすべての歯列不正を治せる

 

■裏側矯正


裏側矯正は、歯の裏側にブラケットをつける矯正治療法です。

最大のメリットとしは「矯正装置が見えないこと」で、最も目立ちにくい矯正装置です!

裏側にブラケットをつけるため、目立ちにくくなっていますし、マルチブラケット法の利点も備わっています。

難点は難易度の高さですが、当院は治療経験も多く、安心して受けていただけます。

裏側につける場合も装置の間に食べかすなどが溜まりやすく、歯磨きもしづらいので虫歯のリスクは上がると言われております。

しかい、裏側には常時唾液が循環しております。その唾液には「殺菌作用」があるので細菌が増殖しづらい環境となり虫歯になりにくいのです。

 

■アンカースクリュー


アンカースクリュー矯正とは、アンカーと呼ばれる支えを歯茎に埋めて、ここを固定源として歯を移動させる矯正治療です。

アンカースクリュー矯正なら、従来は難しかった大臼歯という大きな奥歯の後ろへの移動ができます。

大臼歯を奥へ移動させることができると、歯を並べるスペースに余裕が生まれるため、歯を並べるスペースを確保する目的の抜歯をしなくても歯並びを整えられる可能性が高まります。

 

■部分矯正


中には、歯並び全体ではなく、前歯だけなど、ごく一部だけ歯並びを整えたいという希望の方もおられます。

当院では、そうした部分的な矯正を希望される方に対応した部分矯正も行っています。

できる限り受診された方々の希望に沿った治療を行うようにしています。

部分矯正は適応症例が限られ、すべて人に部分矯正治療ができるわけではありません。
そのため、場合によっては部分矯正ではなく、全体的な矯正が必要とお伝えすることもあります。

 

「矯正にも様々な種類があって自分にはどの矯正が合っているのか分からない」そんなお悩みもあるかと思います。

歯周病治療や虫歯治療と手がけている一般歯科医院か、矯正歯科治療を専門的に行っている医院ではどちらがいいか悩みますよね。

歯並びは複雑で、ひとりとして同じ人はいません。

矯正治療の経験の多い歯科医院なら、取り得る選択肢が多いので安心していただけます。

マウスピース矯正治療での対応が難しい場合はマルチブラケット法で対応することも十分可能です。

 

二子玉川デンタルデザイン歯列矯正歯科では、随時歯並びについてのご相談を受付けております。

「ブログ」を新設いたしました

2021年9月1日

「ブログ」を新設いたしました。
今後ともよろしくお願いいたします。

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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