あなたの身体の不調は「悪い歯並び」が原因かも?
2022年10月14日
歯並びが悪いと思っている方は、自分の見た目にコンプレックスを持っているはずですが、実は「良くない歯並び」は見た目だけでなく、日常生活の意外なところに影響を及ぼしていることもあります。
今回は悪い歯並びが及ぼす影響とその改善方法についてご紹介します。
■悪い歯並びってどんな状態のこと?
「悪い歯並び」というのは、以下のような状態、そして複合的に生じている様子を言います。
○歯がデコボコに生えている
ガタガタに歯が生えているのが叢生です。顎が小さい場合や歯のサイズが大きいなど、生まれつきの問題や、後天的な指しゃぶりのような癖が原因というケースもあります。
○歯が全面に突出している「出っ歯(上顎前突)」
出っ歯は、遺伝的に前歯が大きいケースや、舌で前歯を押し出したり、指をしゃぶることがもとで発生します。
○噛み合わせが深い「過蓋咬合」
上の歯は下の歯にかぶさっているものですが、それがかぶさりすぎていると、噛み合わせに問題が生じます。これを過蓋咬合と言い、顎関節の位置が一般的な場所よりも滑っていることが原因です。
○前歯が閉じない「開咬」
開咬は「オープンバイト」とも呼ばれていて、前歯が閉じません。奥歯にかなりの負担がかかってしまい、生じることもあります。その他の原因には、遺伝や指しゃぶりや口呼吸をはじめとした癖が挙げられます。
○隙間が空いている「すきっ歯」
すきっ歯(空隙歯列)は、歯と歯の隙間が空いている状態です。
- もともと歯の本数が少ない
- 舌で歯を押し出す癖
これらが原因のケースも多々あります。
○噛み合わせが悪い「交叉咬合」
交叉咬合はクロスバイトと言われることもあり、上と下の歯の噛み合わせがすれ違って交叉している状態のことです。上と下の奥歯の噛み合わせが横にずれてしまい、影響を受けて上下の前歯の中心がズレてしまうことも…。
交叉咬合は主に以下の原因が考えられます。
- バランスが悪い状態で顎が成長した
- 片顎だけで咀嚼する癖がある
- 頬杖をつく癖がある
○下顎が突出している「受け口(下顎前突)」
下の顎が前に出ている症状が「受け口」です。原因は「遺伝」や「筋肉的な癖」が挙げられます。フェイスラインを見ると、下唇が通常より前に出ています。
■悪い歯並びが引き起こすトラブル
上記のような悪い歯並びをそのまま放置しておけば、以下のような問題が発生するかもしれません。
○虫歯や歯周病になりやすい
歯並びの状態が悪ければ、歯が重なっている位置の歯磨きを正しく行いにくくなり、虫歯をはじめとした病気が発生しやすくなるでしょう。そして歯並びが悪ければ、一部の歯だけに集中的に力がかかりやすくなり、歯周病の悪化などにもつながります。歯を失ってしまうと日常生活においても大きなダメージを負いますから、歯並びや噛み合わせの問題には真摯に向き合いたいです。
○しっかり噛めない
歯並びのせいで日頃からあまり噛まずに食べていると、きちんと消化されずに体調悪化にもつながります。そして正しく噛む習慣がつかないため、口周辺の筋肉や骨の成長にも影響を与えます。
○口臭の原因になる
歯並びや噛み合わせが悪いせいで口がきちんと閉じられないと、口呼吸の癖がついてしまい、口の中が常に乾燥した状態になります。また、しっかりと噛む習慣がない場合、唾液の分泌量が少ないため、さらに乾燥が進んでしまいます。すると口の中に雑菌が繁殖し、口臭がひどくなってしまう恐れがあるのです。
○顔貌の変化
歯並びや噛み合わせは上顎や下顎の突出の他、正中線がずれて左右非対称になったり、顔の歪みのもとになるのです。こういった状態は機能的な問題以外に、見た目のコンプレックスも生むため、子供の段階でできるだけ対処しておくべきでしょう。
○顎の関節に負担がかかる
歯並びやが悪ければ、咀嚼していると顎が圧迫されて、顎関節症になる可能性が高まります。顎関節症は、「顎から音がする」「口が開きにくい」「顎関節に痛みがある」といったもので、マウスピースや生活習慣の改善による治療のほか、最悪の場合は手術が必要となる場合もあります。
○きれいな発音ができない
歯並びなどが原因で口をきちんと閉じられなければ、滑舌が悪くなることもあるのです。
口から息が漏れて、歯擦音というサ行が発音しにくくなったり、タ行やラ行を発音する際にも影響が出ることもあります。結果として、話すことにコンプレックスを感じている方も少なくありません。
上記のような問題は必ず起こるわけではないですが、歯並びにトラブルがある場合は見た目の以外にも、身体の不調につながることもあります。例えば頭痛・肩こり、耳鳴り、胃腸障害などが挙げられます。
■悪い歯並びの改善方法
前述したように良くない歯並びは審美性の問題だけではなく、身体の不調にも影響することがあります。ここでは、悪い歯並びを予防する方法などについてご紹介します。
○生活習慣改善
固い食べ物をあまり食べない食生活や、顎や歯に影響を与えるような癖は悪い歯並びに繋がります。ですから、生活習慣の見直しを行うことも大切でしょう。頬杖に気を付けたり、舌で前歯を押さないようにしてください。
「もう歯並びが悪いのだから予防できない…」と嘆く方もおられると思いますが、毎日の習慣を見直すことができれば、今以上に歯並びを悪くしないようにすることができます。
○歯並び矯正
歯並びの悪さが原因のイメージの悪さや体の調子…、たくさんの悩みを抱えて場合には歯列矯正という治療があります。自分がコンプレックスを抱えている一部分のみの「部分矯正」、口の中を全体的に矯正して噛み合わせを良くする「全体的な矯正」があるので、矯正を検討してみてはいかがでしょうか。
また、歯列矯正には大きく分けて以下2つのタイプがあります。
◇ワイヤータイプ
ワイヤータイプは、歯にブラケットを装着した、ワイヤーを用いる治療です。
矯正といえば、ワイヤー式を想像する患者様が大多数だと思います。3~4週間ごとに通院を行うことになり、ワイヤーを適宜調整して歯を移動させます。
ワイヤー矯正にも選択肢があって、装着する場所が歯の表面側か裏面側か次第で見た目が大きく変わってきます。ワイヤーによる矯正の後は、後戻りを防ぐためにマウスピースによる保定をするのが一般的です。
◇インビザラインタイプ
インビザラインタイプは、ワイヤーを用いずはじめからマウスピースだけで矯正をする治療を指します。透明のマウスピースを装着して歯を移動させます。マウスピースが適合しているか、矯正が順調に進んでいるかをチェックする目的で、1~2ヶ月ごとに通院が必要です。
コンピューターでマウスピースを作成するため定期的な通院は必須ですが、自分で取り外しが可能ですし、手入れもしやすくメリットも多いです。また、透明で気になりにくいのも選ばれるポイントです。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。歯並びの悪さは、自身で鏡などを見たときに改めて気づくことが多いです。そして、自分で分かるからこそ、コンプレックスに感じるケースも多いでしょう。
ですが、歯並びの悪さを把握していても、どれくらい悪いのかや噛み合わせがどんな感じか、といった点は判断が難しいです。ですから、専門の歯科医師に相談することをおすすめします。
当院では無料の矯正相談を行っています。気になることがある方は、ぜひ一度ご相談ください!